歯周病治療・歯周組織再生療法

すべての歯科治療の基本となるのが、歯周病治療と予防と考えています

歯周病は、長年の生活習慣が元になり、歯を支えている組織(歯肉、歯根膜、歯槽骨)が歯周病菌によって破壊されていく感染症です。初期の歯周病は自覚症状がない為、気がつかないうちに進行してしまいます。治療をせずに放置しておくと歯がグラグラになり咬めなくなってしまい、最終的には歯を失うことにつながる怖い病気です。

自覚していない方にも歯周病検査を実施

成人の5人に4人は歯周病といわれますが、むし歯と異なり痛みなどの自覚症状が少なく、自分で気が付かない方が多いことも特徴です。そこで当院では、歯周病治療はすべての治療の基本ととらえ、歯周病を自覚されていない患者さんにも歯周病検査を行います。そのうえで、治療計画を立て、むし歯の治療や咬み合わせ治療、入れ歯治療を行います。

当院の特徴

歯周ポケット検査と、ブラッシング指導を重視しています

当院では診査に力を入れ、レントゲン写真、口腔内写真、歯周組織検査を時間をかけて行います。歯周病の進行具合は、歯と歯ぐきの間の隙間(歯周ポケット)の深さを測定することで判別できます。この歯周ポケットの深さが4mm以上あると歯周病の疑いがあります。
次に、正しい歯磨き方法を習得していただけるまで、歯周病ケアの経験豊富な歯科衛生士が連携して、症状に応じた適切な治療と徹底した予防を行います。きちんと歯磨きができているかをチェックする「プラークスコア」という検査で、お口の中の汚れを把握しながら効果的なブラッシング指導を行います。正しいブラッシングでプラークを取り除いていれば、歯周病への感染や悪化を防ぐことができることから、当院ではブラッシング指導を重視しています。

歯周病は、糖尿病など全身疾患と関わりがあります

お口の中で増殖した歯周病菌は血管を通して体内を回り、さまざまな全身疾患との関連性が近年指摘されるようになりました。関連性が指摘されている主な全身疾患には、「糖尿病」「動脈硬化」「心筋梗塞」「誤嚥性肺炎」「感染性心内膜炎」「早産」「関節リウマチ」などがあります。体の健康のためにも、歯周病の治療と予防を行うことが必要です。

全身の健康維持にも役立つ歯周病ケア

心筋梗塞の患者さんの口腔内や、動脈硬化の塊から歯周病菌が発見されていることから、当院ではお口の中の菌を取り除き清潔に保つことは全身の病気の予防にもなると考え、医科との医療連携にも取り組んでいます。歯周病を治療し予防することで、病気の予防や健康維持に役立てたいと願って、歯周病ケアの啓発にも携わっています。

当院の歯周病治療メニュー

歯周病検査(歯周組織検査)

歯と歯ぐきの間の歯周ポケットの深さを測ります。その結果により、症状に合わせた治療をご提案します。

スケーリング

歯の表面に付着した歯垢や歯石を除去し歯周病を改善していきます。歯石は一度除去してもしばらくすると再形成されますので、定期的なスケーリングの受診をおすすめします。歯石の付き方により通院間隔をご案内します。

スケーリングルートプレーニング(SRP)

歯周病の原因である歯垢や歯石、その他の沈着物などを、歯の表面から取り除く処置です。ルートプレーニングとは、スケーリング終了後に歯根表面の歯垢によって汚染されたセメント質や象牙質を除去し、歯根面を硬くなめらかな面に仕上げることをいいます。歯の表面にこびりついている歯石は、手用スケーラー(キュレット)や超音波スケーラー、エアスケーラーといった専用器具で取り除きます。

歯周ポケット搔爬(そうは)術

歯肉に麻酔をして、歯周ポケットの中の歯垢や歯石を除去する手術です。歯周ポケットの深さが3〜5mm程度の、比較的軽度の場合に行う治療法です。

フラップ術(歯肉剥離掻爬術)

歯肉を切開して歯槽骨から剥離することで、露出した歯根の歯垢や歯石の除去、歯槽骨の清掃、感染した歯肉などの組織を除去し、歯肉を健康な状態に戻します。歯周病の症状が重度な場合に適した治療法です。

歯周病の進行度

健康な歯周ポケットは1~3mm程の深さです。歯磨きなどのお手入れが行き届かないと、このポケットに歯垢がたまり、たまった歯垢が歯石となり、徐々に深さが増して進行します。これを積み重ねることで歯肉が炎症を起こします。

歯肉炎(軽度歯周病)

歯肉(歯ぐき)が赤く腫れ上がり、歯を磨いたり、物を食べたりすると出血する状態。この段階で、丁寧な歯磨きや歯科医院で適切な処置を受けることで、元の健康な状態に戻すことも可能です。

歯周炎(中等度歯周病)

歯周ポケットが広くなり、そこから血膿が出ることや、口臭を感じることもあります。歯周ポケットでの炎症が慢性化し、歯根膜・歯槽骨が溶けてきます。この頃には強い口臭を感じ、歯が浮いた感じがします。強く噛むと痛みを伴い、歯が揺れてきます。この段階まで進むと、歯周炎で破壊された歯槽骨や歯肉を元通りにすることはできませんが、進行を止めること、もしくは進行の速度を緩やかにすることはできます。

歯が抜ける(重度歯周病)

歯を支えている歯槽骨がほとんど溶けてしまいます。歯根が露出し歯の揺れがひどくなり、最終的には抜けてしまいます。

ご存じですか?若い人にも増えている歯肉炎

軽度の歯周病である歯肉炎は、中高生や若者にも増えているといわれています。お子さんの歯だけではなく歯ぐきの状態にも注意してください。また歯周病菌は、むし歯菌と同じように幼児の頃に親御さんからお子さんに感染します。お子さんのためにもお母さん・お父さんは、定期的なメインテナンスで歯周病を予防してください。

心当たりはありませんか?歯周病チェック

歯を磨くときや、食事した時に血が出る
朝起きたとき、口に粘りがあったり妙な味がしたりする
歯ぐきが腫れている
歯ぐきを指で押すと血膿が出る
歯が浮いた感じになり、硬いものが噛めなくなる
歯ぐきから膿が流れ出る
まわりから、口臭がひどいと言われる

※あてはまることがある時は、お早めに受診してください。

歯周組織再生療法

歯周病が進行すると、歯を支えている歯根膜や歯槽骨といった歯周組織が破壊されます。
当院では、歯周再生療法として「リグロスを用いた歯周組織再生療法」を導入しています。
※健康保険適用です。

 

リグロスを用いる歯周再生療法とは

リグロスの成分は細胞を増やす成長因子で、この成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の再生を促進する治療法です。フラップ手術で、プラーク・歯石などを取り除いた後に歯槽骨の欠損部にリグロスを塗布し、歯を支えている歯周組織の再生を促します。
リグロスと同じ成分は、すでにやけどや床ずれなどの治療に使用されています。

フラップ手術

フラップ手術は歯周基本治療では除去できなかった歯周ポケットの深いところに存在する歯垢・歯石などをきれいに除去するために行われる歯周外科治療の一つです。
歯肉に局所麻酔を行った後、歯肉を切開・剝離して歯垢・歯石などを取り除きます。
フラップ手術時に歯周組織再生療法を併用することで、失われた歯周組織を再生させる処置もあります。

リグロスによる歯周組織の再生

リグロスは、成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の周囲にある細胞を増やし、さらに血管を作って細胞に栄養を送り込みます。
これらの作用により歯槽骨などの歯周組織が再生されます。

進行した歯周病でも歯を抜かずに治療できる可能性もあります

歯周病は進行するまで自覚症状の少ない病気です。
そのため、気付いたときには病気が進行して、歯を支える歯槽骨などの歯周組織が破壊され、歯を抜かなければならない場合もあります。
歯周組織再生療法は、その名のとおり歯を支えている歯周組織を再生する治療法です。この治療を受けることで進行した歯周病でも歯を抜かずに治療できる可能性があります。

メリット
  • 歯周病で失われた骨を再生することができる
  • 歯根を支える骨が増えることにより、歯の動揺が改善される
  • 手術時における歯肉の負担が少ない
  • 歯周病の再発率が低くなる

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