薄いセラミックを貼り付ける「ラミネートべニア」とは?
2024.05.15更新
こんにちは。
立川市のくどう歯科クリニックです。
今回は、ラミネートべニアとはどのような治療方法か、またそのメリットやデメリットついてご紹介します。歯の白さや美しさに焦点をあてた総合的な歯科治療を「審美歯科治療」といいますが、そのうちの一つにラミネートべニアが挙げられます。
ラミネートべニアとは
歯の色や形が気になる場合に、歯の表面をごく薄く削り、薄いセラミックを貼り付ける方法が「ラミネートべニア」です。これまでは歯の全周を削って被せ物(クラウン)をする治療方法が主流でしたが、ラミネートべニアの方法が登場したことにより、歯の表面を0.3~0.5mmほど削るだけで気になっている部分の見た目を改善できるようになりました。
ラミネートべニアは、1920年ごろにハリウッドの映画スターが取り外し式のセラミックを使用していたことが始まりと言われています。そのころに使用されていたものは歯科用のプラスチック(コンポジットレジン)であったため劣化や変色が課題でしたが、その後セラミックが使われるようになり見た目はもちろんのこと耐久性も大幅に向上しました。
ラミネートベニアのメリット
ラミネートべニアを選択することには、以下のようなメリットが挙げられます。
〇審美性が非常に高い
ラミネートべニアに使用される素材は、白いセラミックです。セラミックはただ白いだけでなく、天然歯に限りなく近い色調や透明感、ツヤを再現できます。隣の歯とも色味を合わせてセラミックを貼り付けるので、治療をした歯だけ周りから浮いてしまうようなこともありません。
〇汚れがつきにくい
セラミックは表面が非常に滑沢です。そのためプラークや着色などの汚れもつきにくく、ついたとしても落としやすいことが大きな特徴です。
〇変色しにくい
セラミックは耐久性にも非常に優れています。保険診療で用いられる歯科用のプラスチック(コンポジットレジン)は時間経過とともに劣化して変色してしまいますが、セラミックの場合はそのような心配もありません。
〇歯を削る量が少ない
歯の見た目を整えるために被せ物(クラウン)の処置を行う場合、土台をつくるために健康な歯を削らなければなりません。ラミネートべニアであれば、クラウンを作製するときよりも歯を削る量を少なく済ませることができます。
〇口元に自信をもてる
人の印象を決める要素の中でも、歯や口元の清潔感は非常に重要な役割を果たしています。歯や口元を美しく整えることで、ビジネスやプライベートのシーンでも自信をもって人と接することができるでしょう。
〇金属アレルギーの心配がない
ラミネートべニアに用いられるセラミックには、金属は使用されていません。金属アレルギーをお持ちの方や、金属アレルギーが心配な方にも安心してお使いいただける素材です。
ラミネートベニアのデメリット
メリットの多い治療方法ではありますが、以下のようなデメリットがあることも知っておきましょう。
〇大きなむし歯がある場合には使えない
ラミネートべニアは、薄いセラミックの板を歯の表面に接着します。そのため、歯の表面に大きなむし歯がある場合などは使えません。
〇強い歯ぎしりや食いしばりによって割れることがある
セラミックはある程度の強度や耐久性はありますが、日常的に強い歯ぎしりや食いしばりをしているとセラミックに負荷がかかり、割れてしまうこともあります。
〇費用が高い
ラミネートべニアは自費診療となるため、保険診療に比べると費用がやや高額になる傾向にあります。
〇ダイレクトボンディングに比べると歯を削る量が多い
クラウンに比べると歯を削る量が少ないのがラミネートべニアですが、ダイレクトボンディングとよばれるプラスチックを直接歯に貼り付ける方法に比べると歯を削る量はやや多くなります。どちらがより患者さんに適しているかは、ぜひ歯科医院でご相談ください。
ラミネートべニアの治療の流れ
一般的なラミネートべニアの治療の流れは以下の通りです。
1.まずは歯の状態を拝見し、患者さんのご希望も伺います。
2.セラミックの薄い板を貼り付けるために、歯の表面を0.3~0.5mmほど削ります。削る量が非常に少ないので神経にも影響はなく、痛みもありません。
3.セラミックの薄い板を作製するための歯型をとります。
4.患者さんの歯の色に合わせてセラミックの薄い板は一つひとつオーダーメイドで作られます。作製には約1~2週間を要します。
5.できあがったセラミックを、専用の接着剤で歯の表面に貼り付けます。
ラミネートべニアの平均寿命は10~20年と言われていますが、これは適切なメンテナンスが行われた場合です。毎日の丁寧な歯磨きに加え、定期的に検診を受けお口の中を良い状態に保ちましょう。
このような方にラミネートべニアはおすすめです
・前歯の隙間を改善したい方
・部分的に歯の形を整えたい方
・歯の変色が気になる方
当院における症例のご紹介
【Before】
【After】
・年齢/性別 36歳女性
・治療内容 ラミネートべニア(2歯:上顎両側2番)
・費用 353,100円(2歯分合計)
・治療期間 2ヶ月
・通院回数 3回
・リスクと副作用 噛み合わせや歯ぎしりの強い方は、ごく稀に欠けたり壊れる可能性があります。
まとめ
今回は、ラミネートべニアとはどのような治療方法か、またそのメリットやデメリットについてご紹介しました。部分的に歯の色や形が気になる方におすすめです。
当院ではラミネートべニアのほかにも、各種セラミック製修復物、ダイレクトボンディングなどの取り扱いがございます。患者さんのライフスタイルやご希望によってお選びいただけますので、お気軽にご相談ください。ご予約はお電話から承っております。