こんにちは。
立川市のくどう歯科クリニックです。
今回は、口唇閉鎖不全症(お口ぽかん)の原因や対策方法についてご紹介します。日常生活の中で、お子さんの口がポカンと開いたままになっていることはありませんか?この「お口ぽかん」は専門的には「口唇閉鎖不全症」と呼ばれ、健康に関するさまざまなリスクを引き起こす可能性があります。新潟大学が2021年に行った調査によると、全国の子どものうち約3割が口唇閉鎖不全症の可能性があるという結果が出ています。
口唇閉鎖不全症とは
口唇閉鎖不全症とは、安静時に口唇が閉じずに開いている状態を指します。本来であれば、口は安静時には閉じているのが正常です。しかし、口唇閉鎖不全症の人は唇を閉じることができず、常に口が開いたままの状態になります。これは、食べる、話すなどの機能発達に問題がある「口腔機能発達不全症」の一つとされています。
口唇閉鎖不全症の原因
口唇閉鎖不全症の原因は多岐にわたりますが、主に以下のような原因が挙げられます。
・口周りの筋肉の未発達
口唇を閉じるための筋肉(口輪筋)が十分に発達していない場合、口を閉じる力が不足します。
・舌を前に出す癖
舌を前に突き出す癖があると、口唇を閉じるのが難しくなります。
・開咬などの不正咬合
歯並びや噛み合わせの問題があると、口を閉じることが難しくなります。
・アレルギー性鼻炎などの鼻の病気
鼻が詰まっていると口呼吸が習慣化し、口唇閉鎖不全症になることがあります。
・肥満
肥満により気道が狭くなり、口呼吸が習慣化することがあります。
口唇閉鎖不全症がもたらす影響
口唇閉鎖不全症は、以下のようなリスクを引き起こす可能性があります。
・口腔乾燥症
口が開いたままだと、口の中が乾燥しやすくなります。これにより唾液の分泌量が減少し、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
・不正咬合
口唇閉鎖不全症が続くと歯並びに影響を与え、不正咬合が進行することがあります。
・いびき、睡眠時無呼吸症候群
口を開けた状態で寝ていると、舌が喉の奥の方に落ち、睡眠時無呼吸症候群の原因となります。睡眠時無呼吸症候群は大きないびきが特徴で、子どもにも起こりうる病気です。顎や顔の骨格形成だけでなく、脳や身体の発達に影響を及ぼすこともあるため、もし気になる様子がある場合は早めに相談するようにしましょう。
・気道の狭窄
口が開いたままだと気道が狭くなり、呼吸がしづらくなります。
・気道や肺への外気流入
口呼吸により気道や肺に外気が直接流入すると、ウイルスや細菌の侵入を防ぐ鼻の機能が低下します。これにより風邪や感染症にかかりやすくなるほか、免疫力も低下します。
口唇閉鎖不全症を改善するには
口唇閉鎖不全症の改善には、いくつかの方法があります。
・器具を使ったトレーニング
口輪筋を鍛えるためのトレーニング器具を使用することが効果的です。専門の器具を使用することで、口周りの筋肉を効率よく鍛えることができます。
・舌や口元の筋肉を鍛える「あいうべ体操」
舌や口元の筋肉を鍛えて鼻呼吸を促すための体操です。
・正しい舌の位置の習得
舌癖がある場合は、正しい舌の位置の習得などを行います。
口唇閉鎖不全は早期に解決を
口唇閉鎖不全症は、自然に改善されることはあまり期待できません。特に子どものうちからこの状態が定着してしまうと、その後の口腔機能の発達に影響が及ぶ可能性があります。そのため、できるだけ早く口唇閉鎖不全症の原因を明らかにし、原因に合った対処方法を講じることが重要です。適切な治療やトレーニングを通じて、正常な口腔機能の発達を促しましょう。
まとめ
今回は、口唇閉鎖不全症の原因や対策方法についてご紹介しました。お子さまの「お口ぽかん」に気付いたら早めに歯科医院で相談し、適切な対処を始めることをお勧めします。
少しでも気になる症状やお口のお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。お電話にてご予約を承っております。